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 医療用大麻の歴史

 

² 古代エジプトの象形文字の文書や古代中国の亀甲文字の文書中に、すでに薬草の効能や薬の処方が記録されています。

² 漢の時代の薬物書「神農本草経」に上薬として分類されています

*下薬(下品)・・・病気を治す力は強いがしばしば副作用を伴う毒性のあ 

  (125)     る生薬

*中薬(中品)・・・間違った使用をしたり長期に多くを服用すれば、副作     

  (120)     用も出るが適切な量と期間なら毒性がなく薬効も期待 

         できるもの

*上薬(上品)・・・養命薬(生命を養う目的の薬)で無毒で長期服用が

  (120)     可能で体調を良くし元気になれて不老長寿のもの

            ・薬用朝鮮人参など

 

² 大麻草の記述(神農本草経)

 諸臓器の慢性病や障害を治し、内臓機能の働き、血液循環を良くし体を温める。多く摂取すると鬼を見て狂ったように走り出す。長期に服用すると脳の働きが良くなり体は軽くなる。

大麻を多く摂取すると幻覚などの精神変容作用があることを指摘したうえで適量であれば体の働きを良くする

インドの伝統医学(アーユルヴェーダ)

  大麻の葉や樹脂を強壮や食欲増進、鎮痛や鎮静の目的で使用している

 インドの大麻・・THCの含有量が多く吸うと想像力が刺激された 

          り幸福感を覚える作用が強い

            (大麻を嗜好目的ですう文化が発達)

 日本の大麻 ・・THCの含有量が少ない

          大麻を嗜好目的で扱った歴史があまりない。

 

² 西洋での使用

1830年代にインドから伝わる

*英国のヴィクトリア女王の主治医であったラッセル・レイノルズ博士は女

 王の生理痛の治療に大麻を使用。博士は大麻を不眠、神経痛、生理痛の治

 療薬としても推奨している。(薬草・ハーブの類?)

² 米国での使用

1840年代からマリファナはアメリカで最も人気のある鎮痛剤として使用

1842年から1900年までの間、大麻草はすべての医薬品の半数を占めていた。

1850年から1937年までアメリカの薬局方は大麻草を100種類以上の疾病に効く主要な医薬品として記載

² 日本での使用

  日本薬局方に記載(1886年~1948年)

  医薬品や薬草として使用されていた

  1948年に大麻取締法が交付されたため日本薬局方から削除

  (医療用として使用できない)

 

² 大麻使用禁止のワケ

  世界保健機関による麻薬単一条約年(1961年制定)により世界中のほぼすべての国
  で大麻は非合法化された。

  主な理由・・カンナビノイドの主要成分であるTHCに陶酔作用などの精神作用があり
  麻薬として規制されている

 

² 医療用大麻の使用

  1970年に米国で制定された規制薬物法で大麻(マリファナ)は、ヘロインやLSDと同じ
  スケジュールⅠに分類されている。

スケジュールⅠ・・医学的に用途がなく汎用の危険があり安全性の証拠 

           がないもの

 スケジュールⅡ・・濫用の危険はあるが医学的用途が認められる薬物

           モルヒネ

 

アメリカ麻薬取締局(DEA)により大麻の使用、研究の禁止、取締により医療用大麻の研究が低迷した

1990年代に入り大麻成分のカンナビノイドが結合する受容体や内因性のカンナビノイド・システムの存在が明らかになり、大麻の医療効果が証明され効果の高い医薬品として再認識されてきている。

さらに研究が進むと、大麻は毒性が低く麻薬作用もそれほど強くないと言う研究結果も出てきている。

アメリカ合衆国の連邦法では、今でも大麻の所持も医療目的での使用も認めていない。

日本でも大麻取締法によって医療への利用も禁止されている

米国では住民投票により州法での医療用大麻の使用を認めさせた。

1996年カリフォルニア州で認められ2015年の時点で23州とワシントンDCで医療用大麻の使用が許可されている。

 

 

² 大麻はタバコやアルコールよりも安全

  アンドリュー・ワイル博士によると

u 大麻を大量に摂取しても急性中毒症状は起こらないし、大麻の過剰摂取で死んだ人はいない。

u ヘロインやモルヒネ、アルコールには、身体依存が見やれるが大麻に身体依存は生じない。

u アルコールは、人を攻撃的にさせ暴力的犯罪を引き起こすが、大麻は人々の攻撃性を低下させる。

u 普通の医薬品と比較しても安全性は高い。

u 大麻はアルコールやタバコより安全で、しかも多くの病気に対して効果がある。

 

   大麻には軽い精神的依存はあっても、身体的依存は無く長期使用による健康被害も
   ほとんど存在しないことが医学的に明らかにされている。

※精神的依存とは、薬物摂取の継続を渇望する状態。

 身体的依存とは、薬物摂取をやめると種々の身体異常(いわゆる禁断 

 症状)でてくる状態。 

   大麻使用で、一時的に記憶力の低下や知的活動が低下することがあるが、アルコール
   と同じで覚めれば元に戻る。

   大麻が幻覚を引き起こさないことは、多くの臨床研究で示されている。


大麻の依存性はカフェインより弱い

   1994年に国立薬物乱用研究所のジャック・ヘニングフィールド博士とカルフォルニア
   大学のニール・ベノウィツ博士がアルコール、ニコチン、コカイン、ヘロイン、
   カフェインの
5つの物質とマリファナを比較した際、依存性という点において
   マリファナが最も低いという結果になった

   ニコチン>ヘロイン>コカイン>アルコール>カフェイン>マリファナ

   米国では嗜好用大麻も解禁になってきた

   大麻の嗜好用使用は、コロラド州と同時期(2014年)にワシントン州でも合法化
   され、さらにオレゴン州、アラスカ州、ワシントン
DCで合法化されている。

 

オバマ大統領は、以下のようなニュアンスなことをことあるごとに語っている

*「大麻が酒より有害とは思わない」

*「中産階級の若者たちが、大麻を吸っても処罰されないのに黒人やヒスパ

  ニック系などのマイノリティの若者たちが大麻を理由に不当な逮捕や

  監禁に合っていることが問題だ」

*「多くの人々が大麻に関する法律を1度や2度は破っているのに1部の人

  だけが罰せられているという社会状況は望ましくないので大麻の合法

  化の進展は重要だ」

 

大麻草成分が体に効く理由

² 受容体が外部の情報を細胞内に伝えている

 人体は凡そ3040兆個の細胞でできている

特定の機能を持った細胞が集まって脳や心臓や肺や肝臓などの臓器や組織を形成している。

細胞は生物体を構成する基本単位で細胞膜に覆われてそれぞれが独立している。

従って、多くの細胞が共同して働くためには細胞間で情報を伝達する仕組みが必要となる。それが「受容体」と「リガンド」という情報伝達法です

 
 

受容体(レセプター)・・物理的及び科学的な刺激を認識して細胞に応

               答を引き起こす突起物のようなもの

リガンド      ・・受容体に結合して細胞応答を誘導する情報伝

               達物質(体内成分及び薬剤

 

受容体の細胞外側には、特定のシグナル分子(ホルモンや増殖因子、医薬品など)が結合できる「鍵穴」のような構造が存在し、その鍵穴にシグナル分子が結合すると、それが引き金になって様々な化学反応が細胞内で引き起こされる

     このような一連の経路をシグナル伝達経路と呼ぶ

細胞の受容体リガンドによる情報伝達の仕組みを利用した医薬品が数多く開発され病気の治療に使われている。

 

受容体へ作用する薬は2通りある

・アゴニスト  (作用薬、作動薬)・・受容体の機能を高める

・アンタゴニスト(拮抗薬、遮断薬)・・受容体の機能を疎外する

 

受容体のほかに、細胞内の化学反応の触媒の働きをする「酵素」の働きを高めたり抑制することによって細胞機能に働きかける医薬品もある。

 

 

病気の治療に役立つ成分が植物から見つかる理由

 

解熱鎮痛剤アスピリン  -> 柳の樹皮

麻薬性鎮痛剤モルヒネ  -> ケシの未熟果実

強心利尿薬ジギトキシン -> キツネノテブクロの葉

 

本来このような薬効を持った天然成分は、植物が人間のためにわざわざ作ったものではない

これらの成分は、植物が自分の身を守るために作ったもの

たまたま人間に薬効を示しているということ

 野菜や果物に含まれるポリフェノールやカロテノイド、ビタミンCEなどの抗酸化物質は、植物が日光の紫外線から身を守るために作っている

人間はそれを摂取することにより活性酸素を消去して、老化やがんの予防に役立てている

植物は昆虫や鳥、動物から食い荒せられないようにこれらの生物に対して毒なるものを作る

これらが人間の治療に使われる。毒は、適量を使えば薬ともなる

 

漢方治療や薬草を使った民間療法、ハーブ治療が効果を示す理由は、それらのや薬草の中に含まれる成分が細胞の受容体や酵素と相互作用して細胞の組織の働きに影響を与える

 

体内には大麻草の成分が結合する受容体がある

大麻草には500を超える化合物があり、そのうちの80種以上がカンナビノイドと呼ばれる大麻草固有の成分

ある種のカンナビノイドは体の中の特定の受容体に結合することが分かりそのことにより様々な薬効を発揮することが分かってきた

カンナビノイド受容体が存在するということは、もともとこれに作用する体内成分が存在する。この物質を内因性のカンナビノイドという

大麻のカンナビノイドとが作用する受容体がいくつか見つかり、その代表がCB1,CB2よ呼ばれている。

 

内因性カンナビノイド・システムの異常が様々な疾病を引き起こしている

カンナビノイド受容体タイプ1(CB1)は、中枢神経系において様々な神経伝達調節を行っており記憶、認知、運動制御、食欲調節、報酬系の制御、鎮痛、脂肪代謝などの生理作用を担っている

カンナビノイド受容体タイプ2(CB)は、免疫細胞や白血球に多く発現し免疫機能や炎症の制御に関与している

 

CB1は中枢神経系に多く発現し、CB2は免疫細胞に多く発現しているがカンナビノイド受容体(CB1CB2)は多くの組織の細胞に存在し、多様な生理機能の調節に関与している。

 

Ø カンナビノイドの主な成分

THC(Δ9-テトラヒドロカンナビノール)

CBD(カンナビジオール)

 参考資料
   

アーユルヴェーダとは?アーユルヴェーダとはいうのは、インドの伝承医学です。「アーユス」=「命・寿命」と「ヴェーダ」=「科学・知恵」を合わせた言葉で、「生命の科学」と訳されています。今から約5千年前にインドに生まれ、現在もインドを始め数多くの国々で実践されている、世界保護機構(WHO)が認めた世界で最も古い伝統医学の1つです。人と自然のかかわりを見つめ、それを体系化した医学であり、哲学でもあり、人間が真に健康で幸せに生きるための術を説いています。